時代劇の主人公としても描かれている水戸黄門。作中では徳川光圀をモデルに描かれているが、水戸黄門と呼ばれる人物は、光圀を含め7人いた。
なぜなら、水戸黄門の「黄門」とは、太政官で大納言の仕事を補い、天皇に近侍して奏上や宣下を司る役職「中納言」の別名だからだ。
水戸藩で中納言を経験したのは、徳川頼房、光圀、綱條、治保、斉脩、斉昭、慶篤の7人。ゆえに、水戸黄門は7人いたことになる。
「黄門」は、中国で秦や漢の時代、禁中の門が黄色いことから皇帝に近侍する役職を指す言葉として使われていた。
日本では奈良時代、藤原仲麻呂が政権を握った際に官名がすべて唐名で言い換えられ、このうち、役職が似ている中納言は「黄門」と呼ばれるようになった。