女性の心は秋の空模様のように変わりやすいということを表したことわざ「女心と秋の空」はもともと、「男心と秋の空」だった。
既婚女性の浮気は重罪だった江戸時代、浮気ばかりして女性に対する愛情がころころと変わる男性の心を、変わりやすい秋の空模様に例えて、「男心と秋の空」ということわざが生まれた。
だが、明治時代以降は恋愛の形が変化した。男女平等の立場での恋愛が語られるようになり、大正デモクラシーで女性の地位が向上してからは、様々な恋愛の形が現れるようになった。
この時代、西洋文化が入り、イギリスの「A woman's mind and winter wind change often(女心と冬の風)」ということわざも知られるようになった。
現代でも使われる「女心と秋の空」は、江戸時代に生まれた「男心と秋の空」に、時代変化が反映されて生まれた。
両ことわざは次第に、愛情に限らず、心情全体を表す意味としても使われるようになった。