世界には様々な公式があるが、インドゾウの表面積を求める公式も存在する。
ケラーラ農業大学で研究を続けたインドの獣医学者、K.P.シュリクマーが1990年に発表した。シュリクマーはCG技術を駆使するなどして長年研究を重ね、公式を導出。この研究で、人々を笑わせ考えさせてくれる研究に授与される「イグノーベル賞」の数学賞を2002年に受賞した。
計算式は「S=-8.245+6.807H+7.073FFC」。Sはゾウの表面積、Hはゾウの身長(肩から前足の付け根まで)、FFCはゾウの前足の太さを表す。公式は博士の名前を取って「シュリクマー関数」と呼ばれる。
研究を始めた動機は、ゾウに投与する薬の適切な分量を決めるためだ。薬の分量は表面積に比例する。だが、表面積を測る際にゾウが嫌がって暴れ、踏まれて死亡する事故が多発した。また、表面積を推測するために体重を代用することもあるが、ゾウの体重を測るのはそれ以上に困難だった。
公式は世界中で使われ、インドゾウの生存率は飛躍的に向上した。なお、公式はあくまでインドゾウのみに当てはまるものであり、アフリカゾウなど他のゾウには使えない。